第30回(2020年度)
日本映画
プロフェッショナル大賞

個人賞

  • 作品賞

    本気のしるし 劇場版

    製作:メ~テレ、監督:深田晃司
  • 主演女優賞

    小松菜奈

    「さくら」「糸」
  • 主演男優賞

    草彅剛

    「ミッドナイトスワン」
  • 監督賞

    城定秀夫

    「アルプススタンドのはしの方」
  • 新人監督賞

    HIKARI

    「37セカンズ」
  • 特別賞

    豊島圭介

    「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」を監督
  • 特別賞

    大島新

    「なぜ君は総理大臣になれないのか」を監督
  • 特別功労賞

    桂千穂

    脚本家としての長年の功績、日プロ大賞選考委員としての功労に対して
  • 特別功労賞

    成田尚哉

    プロデューサーとしての長年の功績、日プロ大賞選考委員としての功労に対して

ベストテン

  • 1位

    本気のしるし 劇場版

    監督:深田晃司 出演者:森崎ウィン、土村芳、宇野祥平、石橋けい、福永朱梨、忍成修吾、北村有起哉
  • 2位

    37セカンズ

    監督:HIKARI 出演者:佳山明、神野三鈴、大東駿介、渡辺真起子、熊篠慶彦、板谷由夏
  • 3位

    アルプススタンドのはしの方

    監督:城定秀夫 出演者:小野莉奈、平井亜門、西本まりん、中村守里、黒木ひかり、目次立樹
  • 4位

    アンダードッグ

    監督:武正晴 出演者:森山未來、北村匠海、勝地涼、瀧内公美、水川あさみ、柄本明
  • 5位

    ミッドナイトスワン

    監督:内田英治 出演者:草彅剛、服部樹咲、水川あさみ、田口トモロヲ、真飛聖
  • 6位

    風の電話

    監督:諏訪敦彦 出演者:モトーラ世理奈、西島秀俊、三浦友和、西田敏行
  • 7位

    海辺の映画館ーキネマの玉手箱

    監督:大林宣彦 出演者:厚木拓郎、細山田隆人、細田善彦、吉田玲、成海璃子、山崎紘菜、常盤貴子
  • 8位

    れいこいるか

    監督:いまおかしんじ 出演者:武田暁、河屋秀俊
  • 9位

    喜劇 愛妻物語

    監督:足立紳 出演者:濱田岳、水川あさみ、新津ちせ、夏帆、ふせえり、光石研、大久保佳代子
  • 10位

    さくら

    監督:矢崎仁司 出演者:北村匠海、小松菜奈、吉沢亮、寺島しのぶ、永瀬正敏
  • 10位

    のぼる小寺さん

    監督:古厩智之 出演者:工藤遥、伊藤健太郎、鈴木仁、吉川愛、小野花梨

選考委員

  • 足立喜之(会社員)

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    ■個人賞
    ☆主演女優賞=蒼井優
    ☆主演男優賞=仲野太賀
    ☆監督賞=城定秀夫
    ☆新人監督賞=佐藤快麿
    ■ベストテン
    1位 海辺の映画館ーキネマの玉手箱
    2位 三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実
    3位 一度も撃ってません
    4位 ロマンスドール
    5位 のぼる小寺さん
    6位 アンダードッグ
    7位 さくら
    8位 #ハンド全力
    9位 アルプススタンドのはしの方
    10位 おらおらでひとりいぐも

  • 石飛徳樹(新聞記者)

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    ■個人賞
    ☆主演女優賞=篠原ゆき子(ミセス・ノイズィ)
    ☆主演男優賞=石橋蓮司(一度も撃ってません)
    ☆監督賞=古厩智之(のぼる小寺さん)
    ☆新人監督賞=天野千尋(ミセス・ノイズィ)
    ■ベストテン
    1位 朝が来る
    2位 ミセス・ノイズィ
    3位 劇場
    4位 のぼる小寺さん
    5位 37セカンズ
    6位 一度も撃ってません
    7位 生きちゃった
    8位 本気のしるし 劇場版
    9位 空に住む
    10位 風の電話
    ■コメント
    本年、最も印象に残ったのは天野千尋監督の「ミセス・ノイズィ」だった。引っ越し先のマンションの隣室に住んでいた迷惑おばさんとのバトルで始まった映画は、「カメラを止めるな!」を彷彿させるあっと驚く展開を見せていき、家庭内の役割分担やSNSでの集団リンチといった現代社会が抱える問題にまっすぐ切り込んでくる。天野監督は次作で真価を問われることになるわけだが、まずは期待の新人監督の登場を言祝ぎたい。

  • 磯島治之(編集者)

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    ■個人賞
    ☆主演女優賞=蒼井優(スパイの妻)
    ☆主演男優賞=草彅剛(ミッドナイトスワン)
    ☆監督賞=大島新(なぜ君は総理大臣になれないのか)
    ☆新人監督賞=天野千尋(ミセス・ノイズィ)
    ■ベストテン
    1位 本気のしるし 劇場版
    2位 浅田家!
    3位 アルプススタンドのはしの方
    4位 さよならテレビ
    5位 なぜ君は総理大臣になれないのか
    6位 Fukushima 50
    7位 朝が来る
    8位 ミセス・ノイズィ
    9位 ミッドナイトスワン
    10位 一度も撃ってません
    ■コメント
    コロナの影響で、昨年は残念ながら映画館で観れなかった映画が私も多かった。そんな中、ミニシアター・エイド基金など、映画人がクラウドファンディングなどで映画館の支援に回っている姿には心を打たれた。そして、なぜか3年前のアメリカアカデミー賞でのギレルモ・デル・トロ監督(「シェープ・オブ・ウォーター」で作品賞、監督賞を受賞)のスピーチの言葉を思い出した。「私たち映画人、映画産業にできる一番素晴らしいことは、国境を消し去ってしまえることなのです。世界がその境界線をより深く刻むときにこそ、私たちはそれを消し続けていくのです」

  • 伊藤さとり(映画パーソナリティ)

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    ■個人賞
    ☆主演女優賞=佳山明
    ☆主演男優賞=仲野太賀
    ☆監督賞=大九明子監督
    ☆新人監督賞=HIKARI監督『37セカンズ』
    ■ベストテン
    1位 37セカンズ
    2位 佐々木、イン、マイマイン
    3位 ミセス・ノイズィ
    4位 アルプススタンドのはしの方
    5位 れいこいるか
    6位 許された子どもたち
    7位 私をくいとめて
    8位 本気のしるし 劇場版
    9位 人数の町
    10位 ひとくず
    ■コメント
    2020年は女性監督の力強い作品が目立った。中でも障害を持つ主人公の成長物語を、恋愛でもなくシリアスでもない語り口で軽やか且つパワフルに描いた『37セカンズ』の存在は忘れてはいけない。日本映画に多い、名のある有名俳優を起用せずにオーディションで監督をも魅了した佳山明を発掘するなど日本映画の制作を見直すきっかけになれば。

  • 臼井一郎(フリー)

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    ■個人賞
    ☆主演女優賞=小松菜奈
    ☆主演男優賞=小川淳也
    ☆監督賞=城定秀夫
    ☆新人監督賞=なし
    ■ベストテン
    1位 zk/頭脳警察50 未来への鼓動
    2位 風の電話
    3位 なぜ君は総理大臣になれないのか
    4位 三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実
    5位 アルプススタンドのはしの方
    6位 ステップ
    7位 ラストレター
    8位 初恋
    9位 男はつらいよ お帰り 寅さん
    10位 影裏

  • 大高健志(モーションギャラリー)

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    ■個人賞
    ☆主演女優賞=奈緒
    ☆主演男優賞=小川淳也
    ☆監督賞=大島新
    ☆新人監督賞=HIKARI
    ■ベストテン
    1位 なぜ君は総理大臣になれないのか
    2位 本気のしるし 劇場版
    3位 風の電話
    4位 37セカンズ
    5位 ドロステのはてで僕ら
    6位 佐々木、イン、マイマイン
    7位 アルプススタンドのはしの方
    8位 許された子どもたち
    9位 僕の好きな女の子
    10位 蒲田前奏曲
    ■コメント
    2020年はコロナ禍という全く予測していない事態が起こった1年。映画作品そのもの以上に映画館とりわけミニシアターの未来を守るという事の重要さを強く思った1年となりました。私個人としても全国のミニシアターを支える為の「ミニシアター・エイド基金」の立ち上げに奔走していました。映画を映画館で見るという当たり前だった体験が、非常に貴重になった中で、それでも今年沢山の映画が劇場で公開されたことが何よりも大事なことだと実感しています。今年に関しては全ての公開作を拝見できた訳ではない状況ですが、「なぜ君は総理大臣になれないのか」を始めとして、劇場で見たい/見て良かったと思う作品が沢山あったことに感謝しています。

  • 大高宏雄(日本映画プロフェッショナル大賞実行委員長、映画ジャーナリスト)

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    ■個人賞
    ☆主演女優賞=篠原ゆき子
    ☆主演男優賞=草彅剛
    ☆監督賞=城定秀夫
    ☆新人監督賞=天野千尋
    ■ベストテン
    1位 アンダードッグ
    2位 ミッドナイトスワン
    3位 ミセス・ノイズィ
    4位 アルプススタンドのはしの方
    5位 本気のしるし 劇場版
    6位 なぜ君は総理大臣になれないのか
    7位 三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実
    8位 男はつらいよ お帰り 寅さん
    9位 空に住む
    10位 Fukushima 50

  • 大塚史貴(映画ドットコム副編集長)

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    ■個人賞
    ☆主演女優賞=芋生悠(「ソワレ」)
    ☆主演男優賞=草彅剛(「ミッドナイトスワン」)
    ☆監督賞=内田英治(「ミッドナイトスワン」)
    ☆新人監督賞=池田エライザ(「夏、至るころ」)
    ■ベストテン
    1位 劇場
    2位 ミッドナイトスワン
    3位 ラストレター
    4位 ソワレ
    5位 星の子
    6位 夏、至るころ
    7位 人数の町
    8位 AI崩壊
    9位 グッドバイ 嘘からはじまる人生喜劇
    10位 一度も撃ってません

  • 荻野洋一(番組等映像演出・映画評論)

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    ■個人賞
    ☆主演女優賞=田中裕子(おらおらでひとりいぐも)
    ☆主演男優賞=北村匠海(さくら、とんかつDJアゲ太郎)
    ☆監督賞=小田香(セノーテ)
    ☆新人監督賞=吉開菜央(静坐社)
    ■ベストテン
    1位 セノーテ
    2位 空に住む
    3位 風の電話
    4位 おらおらでひとりいぐも
    5位 静坐社
    6位 さくら
    7位 とんかつDJアゲ太郎
    8位 星の子
    9位 ラストレター
    10位 佐々木、イン、マイマイン
    ■コメント
    『セノーテ』『空に住む』『風の電話』の3作は甲乙丙つけがたい素晴らしさだ。しかし『鉱 ARAGANE』『セノーテ』で独自の境地を開拓する若き小田香を称揚することが、最も日プロ的ではないかと考える。共感の風土をあたりに蔓延させて観客を慰撫する次元の映画を、私はもう必要としない。小田監督のごりごりとした、伊賀焼か萩焼の前衛陶芸のような野蛮かつ緻密な感触を、今後も体験していきたい。

  • 加藤敦(北海道新聞記者)

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    ■個人賞
    ☆主演女優賞=芋生悠「ソワレ」
    ☆主演男優賞=大倉忠義「窮鼠はチーズの夢を見る」
    ☆監督賞=沖田修一監督「おらおらでひとりいぐも」
    ☆新人監督賞=佐藤快磨監督「泣く子はいねぇが」
    ■ベストテン
    1位 本気のしるし 劇場版
    2位 ラストレター
    3位 海辺の映画館ーキネマの玉手箱
    4位 おらおらでひとりいぐも
    5位 泣く子はいねぇが
    6位 ソワレ
    7位 窮鼠はチーズの夢を見る
    8位 私をくいとめて
    9位 mellow
    10位 アルプススタンドのはしの方
    ■コメント
    1はまったく退屈しない3時間52分。「裸足のピクニック」かと思う前半から「ドクトル・ジバゴ」のような後半への展開も鮮やか。岩井ワールド全開の2、大林宣彦監督の遺言といえる3、心の声を映像化した4、山下敦弘監督的なオフビートの味わいをもつ5。心がひりつく逃避行の6、BLの枠にとどまらない恋愛の7。大九明子監督は8と「甘いお酒でうがい」、今泉力哉監督は9と「his」と活躍。10は低予算でもいい映画ができるお手本。

  • 上島春彦(映画批評)

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    ■個人賞
    ☆主演女優賞=のん『私をくいとめて』
    ☆主演男優賞=森崎ウィン『本気のしるし 劇場版』
    ☆監督賞=大九明子『私をくいとめて』
    ☆新人監督賞=山田篤宏『AWAKE』
    ■ベストテン
    1位 私をくいとめて
    2位 のぼる小寺さん
    3位 AWAKE
    4位 レディ・トゥ・レディ
    5位 さくら
    6位 山中静夫氏の尊厳死
    7位 AI崩壊
    8位 おらおらでひとりいぐも
    9位 本気のしるし 劇場版
    10位 アンダードッグ
    ■コメント
    中国映画がやたら華々しく新人監督を売り出しているようには、わが国はいかないみたいで残念だが、それでも地味な映画を応援したい気持ちはある。海外セールスをどうこうというラインナップじゃないのは明らかだが『山中静夫氏の尊厳死』みたいなコンセプトの映画は、表現は舌足らずでもじわじわ効いてくるものだ。

  • 河本清順(シネマ尾道支配人)

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    ■個人賞
    ☆主演女優賞=鎌滝えり『子どもたちをよろしく』
    ☆主演男優賞=須藤蓮『ワンダーウォール劇場版』
    ☆監督賞=小田香監督『セノーテ』
    ☆新人監督賞=内山拓也監督『佐々木、イン、マイマイン』
    ■ベストテン
    1位 海辺の映画館ーキネマの玉手箱
    2位 ミッドナイトスワン
    3位 朝が来る
    4位 37セカンズ
    5位 脳天パラダイス
    6位 ワンダーウォール劇場版
    7位 本気のしるし 劇場版
    8位 おらおらでひとりいぐも
    9位 無頼
    10位 8日で死んだ怪獣の12日の物語 劇場版
    ■コメント
    コロナ禍で経済が厳しい状況に追い込まれれば追い込まれるほど、駆け込み寺のごとく映画館に足を運び、「映画」に救いや希望、感動を強く求める人が増えているように感じています。惜しくもベストテンには入りませんでしたが、『風の電話』『音楽』『ソワレ』『アイヌモシㇼ』も素晴らしかったです。

  • 古賀重樹(新聞記者)

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    ■個人賞
    ☆主演女優賞=小松菜奈
    ☆主演男優賞=菅田将暉
    ☆監督賞=青山真治
    ☆新人監督賞=HIKARI
    ■ベストテン
    1位 空に住む
    2位 れいこいるか
    3位 37セカンズ
    4位 セノーテ
    5位 友達やめた。
    6位 VIDEOPHOBIA
    7位 許された子どもたち
    8位 ひとくず
    9位 二人ノ世界
    10位 アイヌモシㇼ
    ■コメント
    25本くらいピックアップした中から1位の青山作品と2位のいまおか作品は別として、3位以下は新鋭監督の作品、自主製作に近い作品、粗削りでも尖ったところのある作品を選んだ。多くの人が日本映画に抱く共通概念が崩壊して、賞の結果がばらつく傾向は、コロナ禍で劇場での鑑賞機会が減ると、ますます強まる予感がする。日プロの原点と思われる「埋もれた作品」の定義もますます難しくなる。だったらこういうセレクションはどうだろう。

  • 小張アキコ(映画評論家)

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    ■個人賞
    ☆主演女優賞=夏帆
    ☆主演男優賞=草彅剛
    ☆監督賞=内田英治
    ☆新人監督賞=HIKARI
    ■ベストテン
    1位 ミッドナイトスワン
    2位 一度も撃ってません
    3位 喜劇 愛妻物語
    4位 37セカンズ
    5位 アルプススタンドのはしの方
    6位 アンダードッグ 前編
    7位 風の電話
    8位 なぜ君は総理大臣になれないのか
    9位 モンブランの女
    10位 日本独立
    ■コメント
    「ミッドナイトスワン」は、突っ込み処満載の映画だ。コンクールに出場する若手ダンサーはぺたんこ靴を履いている。だがこの映画でヒロインはヒールを履いている。でも許せる。それはヒロインがコンクールで踊るバリエーションの前の出場者が踊るシーンがあるからだ。余計だ、無駄だ、という人がいるかもしれない。でも前の出場者が踊る「ノートルダム・ド・パリ」のエスメラルダのワンシーンも、下手な四人組が踊る4羽の小さな白鳥も必要不可欠なのだ。「なぜ君は総理大臣になれないのか」の後半に登場する政治家の娘たちが、父のポスターが貼られていて恥ずかしいという告白は、昔の政治家の子供の思いと変わらず微笑ましかった。

  • 佐藤佐吉(映画監督・脚本家・俳優)

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    ■個人賞
    ☆主演女優賞=芋生悠(ソワレ)
    ☆主演男優賞=濱田岳(喜劇愛妻物語)
    ☆監督賞=武正晴(アンダードッグ)
    ☆新人監督賞=福永壮志(アイヌモシㇼ)
    ■ベストテン
    1位 喜劇 愛妻物語
    2位 いつくしみふかき
    3位 アイヌモシㇼ
    4位 おばけ
    5位 アンダードッグ
    6位 劇場版 鬼滅の刃 無限列車編
    7位 アルプススタンドのはしの方
    8位 COMPLY+-ANCE
    9位 37セカンズ
    10位 ソワレ

  • 徐昊辰(映画ジャーナリスト)

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    ■個人賞
    ☆主演女優賞=川上奈々美
    ☆主演男優賞=仲野太賀
    ☆監督賞=足立紳
    ☆新人監督賞=HIKARI
    ■ベストテン
    1位 海辺の映画館ーキネマの玉手箱
    2位 喜劇 愛妻物語
    3位 無頼
    4位 泣く子はいねぇが
    5位 アンダードッグ
    6位 のぼる小寺さん
    7位 精神0
    8位 37セカンズ
    9位 東京の恋人
    10位 島にて
    ■コメント
    新型コロナウィルスは世界を変えた。劇場と配信の論争も、しばらく続くだろうが、その前に、やはり2020年にはミニシアターの重要性は再認識した1年だと思っている。映像文化の多様性を支えるミニシアターを応援し続ける一方、今後どうなっていくか、まだ全然見えていないが、必死に頑張っている映画監督や映画人に最大限の敬意を表したい。

  • 進藤良彦(映画・ドラマ批評)

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    ■個人賞
    ☆主演女優賞=のん(私をくいとめて)
    ☆主演男優賞=窪田正孝(初恋)
    ☆監督賞=今泉力哉(mellow)
    ☆新人監督賞=HIKARI(37セカンズ)
    ■ベストテン
    1位 初恋
    2位 のぼる小寺さん
    3位 mellow
    4位 ロマンスドール
    5位 おらおらでひとりいぐも
    6位 望み
    7位 私をくいとめて
    8位 ラストレター
    9位 #ハンド全力
    10位 架空OL日記
    ■コメント
    日プロ投票範囲内の作品であっても、他の映画賞でそれなりの評価を受けているものは積極的に外した。三池崇史「初恋」は堂々たるケレン味とスピード感で、久々にメジャー映えする三池作品だと思ったが、やはり苦手な人が多いのだろうか。本命をひとりふたりと除外された中で個人賞が意外と難しく、「初恋」を代表して窪田に。三池は日プロではいまさらかと思ったので、ここ数年絶好調の今泉力哉を監督賞に推す。

  • 鈴木淳(コンテンツ・アドバイザー)

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    ■個人賞
    ☆主演女優賞=モトーラ世理奈「風の電話」
    ☆主演男優賞=大東駿介「37セカンズ」
    ☆監督賞=足立紳
    ☆新人監督賞=HIKARI「37セカンズ」
    ■ベストテン
    1位 37セカンズ
    2位 ラストレター
    3位 風の電話
    4位 喜劇 愛妻物語
    5位 浅田家!
    6位 男はつらいよ お帰り 寅さん
    7位 糸
    8位 初恋
    9位 コンフィデンスマンJP プリンセス編
    10位 弥生、三月‐君を愛した30年‐

  • 高崎俊夫(編集者・映画批評家)

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    ■個人賞
    ☆主演女優賞=小松菜奈『さくら』
    ☆主演男優賞=森崎ウィン『本気のしるし』
    ☆監督賞=矢崎仁司『さくら』
    ☆新人監督賞=上西雄大『ひとくず』
    ■ベストテン
    1位 さくら
    2位 本気のしるし 劇場版
    3位 れいこいるか
    4位 アルプススタンドのはしの方
    5位 海辺の映画館ーキネマの玉手箱
    6位 朝が来る
    7位 Red
    8位 アンダードッグ
    9位 記憶の技法
    10位 ひとくず
    ■コメント
    ①の矢崎仁司は、1980年代のインディーズ・スピリッツを粘り強く継承しつつ商業映画の中で鮮やかに昇華させる手腕に唸った。②の深田晃司もオフ・ビートな笑いで新境地をみせた。⑥の河瀨直美は初めての原作ものに挑戦することで多声的な豊かさを獲得したように思える。とりわけ蒔田彩珠がすばらしかった。⑦の三島有紀子は旧弊な<望ましき家族像>への根底的な疑念を自らが選び取った語り口で紡いでみせたのが印象的だった。

  • 寺脇研(映画評論家、プロデューサー)

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    ■個人賞
    ☆主演女優賞=鎌滝えり
    ☆主演男優賞=杉田雷麟
    ☆監督賞=隅田靖
    ☆新人監督賞=山嵜晋平
    ■ベストテン
    1位 子どもたちをよろしく
    2位 れいこいるか
    3位 テイクオーバーゾーン
    4位 アルプススタンドのはしの方
    5位 君が世界のはじまり
    (6位以下ナシ)
    ■コメント
    高校時代に自分で選び始め、投稿少年となってキネマ旬報「読者のベストテン」に投票し、映画評論家となってキネマ旬報ベストテン選者となり… 50年以上にわたって日本映画ベストテンを重要なわがメルクマールとしてきた。今年初めて、10本選べない(ここで対象除外の『罪の声』『MOTHER マザー』『スパイの妻 劇場版』はワースト)という事態になったのはショックだった。日本映画は危機的状況だと、本気で案じている。

  • 中村勝則(映画ライター)

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    ■個人賞
    ☆主演女優賞=篠原ゆき子『ミセス・ノイズィ』
    ☆主演男優賞=上西雄大『ひとくず』
    ☆監督賞=城定秀夫『アルプススタンドのはしの方』
    ☆新人監督賞=上西雄大『ひとくず』
    ■ベストテン
    1位 アルプススタンドのはしの方
    2位 ひとくず
    3位 アンダードッグ
    4位 37セカンズ
    5位 his
    6位 浅田家!
    7位 本気のしるし 劇場版
    8位 ミッドナイトスワン
    9位 喜劇 愛妻物語
    10位 ミセス・ノイズィ
    ■コメント
    基本、本来の私的ベストテンと大きな変わりはない。①『アルプススタンドのはしの方』は、あらゆる意味で今だからこその作品だろう。加えてコロナ禍のなか、奇跡的な拡大ロングランを記録したことは、昔からの城定監督ファンとしては大いに喜ばしい。②『ひとくず』と⑩『ミセス・ノイズィ』は、遅ればせながら2021年鑑賞となったが、特に『ひとくず』は2020年のうちに観られなかった悔いも含め、あえて上位に推す。同作は3月に公開されたも、それから間もなくコロナによって上映中断を余儀なくされ、それでも作り手は地道に地方上映活動を続け、観客による口コミとともに上映は全国に拡がった。おそらくコロナがなければ、もっと評価されたと思われるが、他の国内映画賞ではほとんど無視状態。もともと低予算の自主映画ゆえ派手なパブリシティが打てなかったのも重々承知の上だが、こういった不幸な傑作こそ、日プロは大いに評価するべきだと思う。

  • 長野辰次(フリーライター)

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    ■個人賞
    ☆主演女優賞=篠原ゆき子
    ☆主演男優賞=宮沢氷魚
    ☆監督賞=いまおかしんじ
    ☆新人監督賞=岩井澤健治
    ■ベストテン
    1位 37セカンズ
    2位 劇場
    3位 許された子どもたち
    4位 れいこいるか
    5位 his
    6位 ソワレ
    7位 ミセス・ノイズィ
    8位 脳天パラダイス
    9位 アルプススタンドのはしの方
    10位 星屑の町
    ■コメント
    コロナ禍で、公開がままならなかった作品が多い。公開したものの思うように宣伝できず、辛酸を舐めた作品がほとんどだ。行定勲監督の『劇場』は公開と同時に配信も行なわれたが、タイトルが示すように劇場で観ないと印象がまるで違う。山本政志監督の『脳天パラダイス』も、賑わう客席でビール片手に観賞すれば最高に盛り上がったはず。映画は配信中心へ移行するのか、それとも劇場で観たいと思わせる作品が現れるのか。映画人も関係者も正念場を迎えている。

  • 西田宣善(オムロ代表/鳴滝主宰)

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    ■個人賞
    ☆主演女優賞=小松菜奈(さくら)
    ☆主演男優賞=妻夫木聡(Red)
    ☆監督賞=矢崎仁司(さくら)
    ☆新人監督賞=岩井澤健治(音楽)
    ■ベストテン
    1位 さくら
    2位 音楽
    3位 BOLT
    4位 三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実
    5位 空に住む
    6位 Red
    7位 ばるぼら
    8位 風の電話
    9位 ラストレター
    10位 ワンダーウォール劇場版
    ■コメント
    海外での受賞作に、テレビ作品の劇場版がいくつか見られ、それらが映画賞の対象になるかどうかが気になった。劇場版とテレビ版で、内容が大きく異なったケースもあり、単純に、劇場用に作られたのではないから排除するという理屈が通るだろうか。劇場と同日配信の作品の扱いも含めて、検討課題だろう。世界の中で、日本がガラパゴスでいいのかという問題でもある。

  • 藤永一彦(ギンレイホール)

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    ■個人賞
    ☆主演女優賞=小松菜奈
    ☆主演男優賞=北村匠海
    ☆監督賞=行定勲
    ☆新人監督賞=岩井澤健治
    ■ベストテン
    1位 劇場
    2位 アンダードッグ
    3位 ジオラマボーイ・パノラマガール
    4位 音楽
    5位 ミッドナイトスワン
    6位 れいこいるか
    7位 おろかもの
    8位 おらおらでひとりいぐも
    9位 一度も撃ってません
    10位 私をくいとめて
    ■コメント
    「糸」の小松菜奈さんが圧倒的でした。のんさんも大活躍の年で、のんさんは出るだけで映画がのんさんの世界に染まる稀有な方だと思います。北村匠海さんも「とんかつDJアゲ太郎」「アンダードッグ」など運動神経のある方だと知りました。「劇場」の山﨑賢人さんと松岡茉優さんも素晴らしかったと思います。岩井俊二監督の「ラストレター」、深田晃司監督の「本気のしるし」を入れるにはどれかを外さなければならず適いませんでした。

  • 堀口慎(日本映画製作者連盟)

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    ■個人賞
    ☆主演女優賞=小松菜奈「さくら」
    ☆主演男優賞=石橋蓮司「一度も撃ってません」
    ☆監督賞=諏訪敦彦「風の電話」
    ☆新人監督賞=佐藤快磨「泣く子はいねぇが」
    ■ベストテン
    1位 風の電話
    2位 ジオラマボーイ・パノラマガール
    3位 星の子
    4位 さくら
    5位 のぼる小寺さん
    6位 空に住む
    7位 ラストレター
    8位 とんかつDJアゲ太郎
    9位 泣く子はいねぇが
    10位 東京の恋人
    ■コメント
    選考対象作品の中から、キネマ旬報ベストテンに入選した作品は「空に住む」1作品のみとして選出。主演女優賞は多部未華子の可能性も考慮したが、未受賞者を優先。新人監督賞は他に下社敦郎、荒木伸二、池田エライザ、内山拓也、外山文治、山田篤宏、今井文寛などが候補となった。

  • 松崎まこと(映画活動家/放送作家)

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    ■個人賞
    ☆主演女優賞=芋生悠
    ☆主演男優賞=草彅剛
    ☆監督賞=内田英治
    ☆新人監督賞=天野千尋
    ■ベストテン
    1位 本気のしるし 劇場版
    2位 私をくいとめて
    3位 佐々木、イン、マイマイン
    4位 滑走路
    5位 ミセス・ノイズィ
    6位 ミッドナイトスワン
    7位 無頼
    8位 おろかもの
    9位 ソワレ
    10位 いつくしみふかき
    ■コメント
    新型コロナ禍で苦境が続く中、インディーズ出身の若手監督の頑張りに、希望を見出した。私が長年関わる「田辺・弁慶映画祭」出身監督が、『滑走路』『ミセス・ノイズィ』『おろかもの』といった、ランクインさせるのに躊躇しないレベルの作品を見せてくれたことは、ただただ喜ばしい。監督賞と主演男優賞は、『ミッドナイトスワン』の2人に。主演女優賞は、『ソワレ』の“ヒロイン”芋生悠に、今後の期待も籠めて贈りたい。

  • 森直人(映画評論家)

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    ■個人賞
    ☆主演女優賞=土村芳(『本気のしるし 劇場版』)
    ☆主演男優賞=仲野太賀(『生きちゃった』『泣く子はいねぇが』『静かな雨』)
    ☆監督賞=行定勲(『劇場』『窮鼠はチーズの夢を見る』)
    ☆新人監督賞=内山拓也(『佐々木、イン、マイマイン』)
    ■ベストテン
    1位 本気のしるし 劇場版
    2位 窮鼠はチーズの夢を見る
    3位 佐々木、イン、マイマイン
    4位 喜劇 愛妻物語
    5位 生きちゃった
    6位 海辺の映画館ーキネマの玉手箱
    7位 無頼
    8位 人数の町
    9位 許された子どもたち
    10位 アンダードッグ
    ■コメント
    自分が2020年映画界のキーパーソンだと思うのは、行定勲監督(監督賞推し)と深田晃司監督(作品ベストワン推し)だ。コロナ禍でいち早くリモート映画を手掛けた行定。深田はミニシアター支援に加え、『本気のしるし』がカンヌ選出。それら一連の動きに付随して、オピニオンとしての両人がリモート画面の中によくいたということ。この激烈な転換期においても、映画人としての行動をやめなかったふたりの姿は強く印象に残っている。

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