選評 | 第28回(2018年度)

足立喜之(会社員)
■個人賞
主演女優賞:趣里(生きてるだけで、愛。)
主演男優賞:大杉漣(教誨師)
監督賞:冨永昌敬(素敵なダイナマイトスキャンダル)
新人監督賞:江口カン(ガチ星)
■ベストテン
1.ガチ星
2.生きてるだけで、愛。
3.素敵なダイナマイトスキャンダル
4.ミッドナイト・バス
5.ミスミソウ
6.止められるか、俺たちを
7.鈴木家の嘘
8.教誨師
9.きみの鳥はうたえる
10.菊とギロチン
■選評
渾沌とした状況の中で、模索し続ける主人公の苦患を活写してみせた「ガチ星」と「生きてるだけで、愛。」。未熟時の雲翳に、爾今の可能性を秘匿する「止められるか、俺たちを」と「ミスミソウ」。熟練した蒼穹に、ある種の終焉とその後の永遠を感じさせる「ミッドナイト・バス」と「教誨師」。どの作品も銀幕から溢流するダイナミズムが充満の大好きな映画たち!!
磯島治之(編集者)
■個人賞
主演女優賞:真飛聖(娼年)
主演男優賞:大杉漣(教誨師)
監督賞:濱口竜介(寝ても覚めても)
新人監督賞:佐向大(教誨師)
■ベストテン
1.寝ても覚めても
2.教誨師
3.祈りの幕が下りる時
4.空飛ぶタイヤ
5.娼年
6.止められるか、俺たちを
7.日日是好日
8.カメラを止めるな!
9.ごっこ
10.きみの鳥はうたえる
■選評
人はなぜ映画館に来るのか? 最近、よくこのことを考える。それも都内の名画座。昔と違って、今は公開されて半年もすればネットやWOWOWで観られるし、DVDも発売になる。

しかし、DVDが発売になっている半年前の公開作品がかかっても都内の名画座(ギンレイホール等)には多くの人がお客として来場する。かくいう私も、以前はシネコン5割、ミニシアター3割、名画座2割という割合で映画を観ていたが、最近は名画座6割、ミニシアター2割、シネコン2割という割合だ。

都内の各名画座で映画を観ていると、夏に江ノ島の海岸でバカンスを楽しんでいるような感覚になることがある。忙しい仕事を切り抜けた金曜日の夜、ギンレイホール等でゆったりした気分で作品を観ているとなんとも幸せな気分になってくる。金曜日の夜には、私と同じようなお客が都内の名画座にはいたりする。そこに醸し出されている場内のムードがまたいいのだ。

それは金曜日の夜のシネコンにも、ネット配信を観ているときにも感じない特別なものだと思う。

私は「寝ても覚めても」をミニシアターで観た半年後、ギンレイホールでもう一度観た。観る場所によって作品の味わいはかなり違ったものだった。
伊藤さとり(映画パーソナリティ)
■個人賞
主演女優賞:趣里(生きてるだけで、愛。)
主演男優賞:渋川清彦(榎田貿易堂)
監督賞:濱口竜介(寝ても覚めても)
新人監督賞:関根光才(生きてるだけで、愛。)
■ベストテン
1.寝ても覚めても
2.焼肉ドラゴン
3.若おかみは小学生!
4.犬猿
5.斬、
6.志乃ちゃんは自分の名前が言えない
7.青の帰り道
8.オー・ルーシー!
9.止められるか、俺たちを
10.生きてるだけで、愛。
■選評
主演女優賞:趣里(生きてるだけで、愛。)
まさに“全身全霊”でヒロインの混乱した内面を活き活きと魅せ、いっけん、嫌煙してしまうキャラクターをここまで惹きつけられる女の子にしてしまった身体能力に脱帽。映画女優という言葉が似合う女優。

主演男優賞:渋川清彦(榎田貿易堂)
どんな映画でも唯一無二の存在感を放ち、自然体なのにしっかり演技をしている面白い俳優。今作でも彼しかできない脱力感の中にある強い芯が、主人公を魅力的に体現している。

監督賞:濱口竜介(寝ても覚めても)
登場人物全員にしっかり光を当て、誰もが必要不可欠な存在にしたキャラクターに寄り添った演出。お陰で、メインの二人(三人?)が更にミステリアスに見え、気づけば他人事に思えなくなっていた映画だった。細やかな人物描写にすっかり魅せられた。

新人監督賞:関根光才(生きてるだけで、愛。)
CMで鍛え上げられた独自の世界観と、海外で磨かれた色彩美が、ヒロインの心を映し出す映像美となって声ではない叫び声となって観客に訴えてくる。余計な説明セリフのない感情で見せる脚本も書ける才能を感じ、オリジナル長編映画も見てみたい。
大高健志(MOTIONGALLERY・POPCORN代表取締役)
■個人賞
主演女優賞:森田想(アイスと雨音)
主演男優賞:二ノ宮隆太郎(枝葉のこと)
監督賞:石井岳龍(パンク侍、斬られて候)
新人監督賞:関根光才(生きてるだけで、愛。)
■ベストテン
1.パンク侍、斬られて候
2.太陽の塔
3.泳ぎすぎた夜
4.止められるか、俺たちを
5.菊とギロチン
6.寝ても覚めても
7.海を駆ける
8.きみの鳥はうたえる
9.カメラを止めるな!
10.アイスと雨音
■選評
2018年は、素晴らしい作品が目白押しで、ベスト10を選ぶのに大変苦労しました。

ラーメンに生きる漢に迫る事で、日本人が何故ラーメンに熱狂しているのかという点から、ある種“日本人”という特性を描いている「ラーメンヘッズ」や、岩手県三陸沿岸部に今も続く黒森神楽の姿から、震災に対する新たな向き合い方を提示した「廻り神楽」を始め、幅広い良質なドキュメンタリー作品がある一方で、「菊とギロチン」「止められるか、俺たちを」「海を駆ける」といった、過去の歴史を紐解いて現代日本の姿を問い直す、骨太であり向き合うべき作品も多く誕生した年でした。

一方で当初から、今年は錚々たる監督陣の新作が次から次へ公開となる年でもあり、サプライズが入り込む余地がない年だと思っていたものの、二宮隆太郎(枝葉のこと)、関根光才(太陽の塔)を筆頭に、監督・俳優ともに新しい才能が力強く表に出てきた年でもあると感じました。2020以降の日本を考える上でも、この年の作品はとても重要な意味を持つ作品が揃っていると感じています。
大高宏雄(日プロ大賞実行委員長)
■個人賞
主演女優賞:趣里(生きてるだけで、愛。)
主演男優賞:遠藤憲一(アウト&アウト)
監督賞:石井岳龍(パンク侍、斬られて候)
新人監督賞:関根光才(生きてるだけで、愛。)
■ベストテン
1.パンク侍、斬られて候
2.アウト&アウト
3.素敵なダイナマイトスキャンダル
4.日日是好日
5.空飛ぶタイヤ
6.響 -HIBIKI-
7.止められるか、俺たちを
8.生きてるだけで、愛。
9.若おかみは小学生!
10.名前のない女たち うそつき女
大塚史貴(映画.com副編集長)
■個人賞
主演女優賞:木竜麻生(菊とギロチン)
主演男優賞:松坂桃李(娼年)
監督賞:三宅唱(きみの鳥はうたえる)
新人監督賞:小田学(サイモン&タダタカシ)
■ベストテン
1.きみの鳥はうたえる
2.菊とギロチン
3.志乃ちゃんは自分の名前が言えない
4.鈴木家の嘘
5.止められるか、俺たちを
6.沖縄スパイ戦史
7.焼肉ドラゴン
8.寝ても覚めても
9.50回目のファーストキス
10.娼年
荻野洋一(番組等映像演出・映画評論)
■個人賞
主演女優賞:韓英恵(霊的ボリシェヴィキ)
主演男優賞:安藤政信(スティルライフオブメモリーズ)
監督賞:矢崎仁司(スティルライフオブメモリーズ)
新人監督賞:野尻克己(鈴木家の嘘)
■ベストテン
1.生きてるだけで、愛。
2.スティルライフオブメモリーズ
3.菊とギロチン
4.素敵なダイナマイトスキャンダル
5.霊的ボリシェヴィキ
6.シャルロット すさび
7.鈴木家の嘘
8.きみの鳥はうたえる
9.津軽のカマリ
10.パンク侍、斬られて候
■選評
監督賞はすでに無双の領域に突入した矢崎仁司。この静かなる異端者を本格的に再評価すべき時代は、もうそこまで来ている。女優賞は韓英恵にするか、趣里にするかで最後まで迷った。「生きてるだけで、愛。」における趣里の女優人生を賭けたような様相もすさまじかったが、韓英恵には「菊とギロチン」だけでなく、これまた異形の傑作「霊的ボリシェヴィキ」での隠然たる主演がある。今年はやはり韓英恵ではないか。
加藤敦(北海道新聞記者)
■個人賞
主演女優賞:石橋静河(きみの鳥はうたえる)
主演男優賞:安田顕(愛しのアイリーン)
監督賞:沖田修一(モリのいる場所)
新人監督賞:湯浅弘章(志乃ちゃんは自分の名前が言えない)
■ベストテン
1.日日是好日
2.志乃ちゃんは自分の名前が言えない
3.きみの鳥はうたえる
4.ハード・コア
5.ギャングース
6.愛しのアイリーン
7.生きてるだけで、愛。
8.モリのいる場所
9.名前
10.人魚の眠る家
■選評
極限までシンプルで、この上なく豊かな①。大森立嗣監督の悠然たる演出。若さの痛みと不器用な優しさをストレートに描いた②。③の石橋静河は「最高密度」の硬さが取れ、のびのび演じる。④は突飛に見えるが、現代日本を「裸の王様」と看破した狩撫麻礼の世界。入江悠監督が原点の「SR サイタマノラッパー」に立ち戻ったような⑤。⑥の安田顕、⑦の趣里の熱演。何も起こらない映画を撮り続ける⑧の沖田修一監督の信念に監督賞を。「SUNNY 強い気持ち・強い愛」「ピンカートンに会いにいく」と、青春をやり直す映画が続いたことも印象に残った。
上島春彦(映画評論家)
■個人賞
主演女優賞:藤野涼子(輪違屋糸里 京女たちの幕末)
主演男優賞:大杉漣(教誨師)
監督賞:佐向大(教誨師)
新人監督賞:清原惟(わたしたちの家)
■ベストテン
1.教誨師
2.母さんがどんなに僕を嫌いでも
3.鈴木家の嘘
4.輪違屋糸里 京女たちの幕末
5.野球部員、演劇の舞台に立つ!
6.霊的ボリシェヴィキ
7.猫は抱くもの
8.犬猿
9.どうしようもない恋の唄
10.わたしたちの家
■選評
この賞は公式にすでに大々的に認められたものは省く、というコンセプトと解釈し、思い切ってキネマ旬報の選出と変えてみた。裏ベストと言ってしまうと次点みたいで良くない。むしろこっちの方が個人的にはベスト。また順位には実はあまりこだわっていない。それぞれベストワンで、たまたまこうなった。瀬々とその作品二本はコンセプトに則り、省いてある。
河本清順(シネマ尾道支配人)
■個人賞
主演女優賞:石橋静河(きみの鳥はうたえる)
主演男優賞:井浦新(止められるか、俺たちを)
監督賞:沖田修一(モリのいる場所)
新人監督賞:二ノ宮隆太郎(枝葉のこと)
■ベストテン
1.寝ても覚めても
2.菊とギロチン
3.きみの鳥はうたえる
4.志乃ちゃんは自分の名前が言えない
5.友罪
6.パンク侍、斬られて候
7.日日是好日
8.ハード・コア
9.若おかみは小学生!
10.斬、
■選評
2018年は、普段映画をあまり多く扱わないテレビ番組などにも話題作が取り上げられることで、年配層にも情報が広がり、地方の興行も伸びた近年にない年でした。その分、話題作でスクリーンがうまってしまい、小さな作品がかかりにくいという現実も。誰も時代は止められないけれど、作り手と一緒に小さくても積み上げていくことを楽しめばいいと思う。
古賀重樹(新聞記者)
■個人賞
主演女優賞:吉田羊(ハナレイ・ベイ)
主演男優賞:山崎努(モリのいる場所)
監督賞:瀬々敬久(菊とギロチン)
新人監督賞:野尻克己(鈴木家の嘘)
■ベストテン
1.菊とギロチン
2.日日是好日
3.寝ても覚めても
4.きみの鳥はうたえる
5.ハード・コア
6.パンク侍、斬られて候
7.リバーズ・エッジ
8.ポルトの恋人たち
9.斬、
10.犬猿
■選評
日本映画は秀作が多かったと思う。各映画賞の受賞結果がかなり割れたし、キネマ旬報ベストテンの上位も僅差だった。わたしのベストテンも大筋で大勢と同じ。なのに微妙にずれている。だから日プロベストテンとキネ旬ベストテンとの違いも「万引き家族」が10位から外れただけ。「プロフェッショナル」の意味が問われているのかもしれませんね。
小張アキコ(映画評論家)
■個人賞
主演女優賞:唐田えりか(寝ても覚めても)
主演男優賞:岸部一徳(鈴木家の嘘)
監督賞:濱口竜介(寝ても覚めても)
新人監督賞:野尻克己(鈴木家の嘘)
■ベストテン
1.素敵なダイナマイトスキャンダル
2.カメラを止めるな!
3.寝ても覚めても
4.ラストレシピ〜麒麟の舌の記憶〜
5.十年 Ten Years Japan
6.止められるか、俺たちを
7.リバーズ・エッジ
8.blank13
9.ちはやふる -結び-
10.銃
11.ぼけますから、よろしくお願いします。
佐藤佐吉(脚本・監督)
■個人賞
主演女優賞:唐田えりか(寝ても覚めても)
主演男優賞:村上虹郎(銃)
監督賞:塚本晋也(斬、)
新人監督賞:大野大輔(ウルフなシッシー)
■ベストテン
1.斬、
2.blank13
3.生きてるだけで、愛。
4.寝ても覚めても
5.旅するダンボール
6.少女邂逅
7.息衝く
8.銃
9.鈴木家の嘘
10.志乃ちゃんは自分の名前が言えない
■選評
今年は本当に傑作が多く、絞りに絞っても20本。そこからさらに10本を選ぶのは相当な困難を伴いましたが、新しい何かを感じさせてもらえた作品を優先的に選出させていただきました。もし今年も新進女優賞が与えられるとしたら、個人的には「少女邂逅」の穂志もえかさんに送りたいと思います。
徐昊辰(映画ジャーナリスト)
■個人賞
主演女優賞:石橋静河(きみの鳥はうたえる)
主演男優賞:安田顕(愛しのアイリーン)
監督賞:吉田恵輔(愛しのアイリーン)
新人監督賞:関根光才(生きてるだけで、愛。)
■ベストテン
1.愛しのアイリーン
2.ニッポン国VS泉南石綿村
3.教誨師
4.アイスと雨音
5.リズと青い鳥
6.太陽の塔
7.ペンギン・ハイウェイ
8.犬猿
9.モリのいる場所
10.若おかみは小学生!
■選評
「万引き家族」のパルムドール受賞、「カメラを止めるな!」の奇跡、2018年の日本映画界は様々な可能性を実感させた。他の賞にほぼ無縁のアニメ映画とドキュメンタリー映画を中心に、日プロの方針を踏まえて、ベストテンを選びました。また、日本映画人をもっと海外(映画祭、映画人、そして映画界)とコミュニケーションすべきだと改めて感じた1年でした!
進藤良彦(映画・ドラマ批判)
■個人賞
主演女優賞:趣里(生きてるだけで、愛。)
主演男優賞:遠藤憲一(アウト&アウト)
監督賞:入江悠(ギャングース)
新人監督賞:佐向大(教誨師)
■ベストテン
1.来る
2.ギャングース
3.空飛ぶタイヤ
4.アウト&アウト
5.海を駆ける
6.ここは退屈迎えに来て
7.パンク侍、斬られて候
8.いぬやしき
9.犬猿
10.アイスと雨音
■選評
2018年は本当に秀作が多く、ベスト10の候補作が30本に届こうかという豊作の年だったが、その反面、首位に据えるべき絶対の1本がなかなか見つからず難儀した。日プロではそのベストワン「来る」と10位固定の「アイスと雨音」を抜く必要がなかったので、そこは不動のまま、2位から9位までの顔触れをキネ旬、ヨコハマへの投票時とはかなり入れ替えてみた。それでもベスト10がフツーに成り立つことが、なにより豊作の証し。
高崎俊夫(編集者・映画批評家)
■個人賞
主演女優賞:石橋静河(きみの鳥はうたえる)
主演男優賞:安田顕(愛しのアイリーン)
監督賞:三宅唱(きみの鳥はうたえる)
新人監督賞:井樫彩(真っ赤な星)
■ベストテン
1.きみの鳥はうたえる
2.教誨師
3.愛しのアイリーン
4.沖縄スパイ戦史
5.ニッポン国VS泉南石綿村
6.響 -HIBIKI-
7.素敵なダイナマイトスキャンダル
8.斬、
9.鈴木家の嘘
10.スティルライフオブメモリーズ
■選評
ベストテンに関しては、そのまま「キネマ旬報」に準じたが、漏れてしまった作品の中で最も気になっていたのが「真っ赤な星」である。弱冠22歳の井樫彩は、14歳の少女が27歳の女性に抱く〈人が人を愛することのどうしようもなさ〉という感情を、この上ない繊細さと大胆さをもって果敢に描き切った。まさに瞠目すべき才能というほかない。
寺脇研(映画運動家)
■個人賞
主演女優賞:黒木華(日日是好日)
主演男優賞:千原ジュニア(ごっこ)
監督賞:原一男(ニッポン国VS泉南石綿村)
新人監督賞:春本雄二郎(かぞくへ)
■ベストテン
1.かぞくへ
2.ごっこ
3.ニッポン国VS泉南石綿村
4.きみの鳥はうたえる
5.日日是好日
6.志乃ちゃんは自分の名前が言えない
7.泣き虫しょったんの奇跡
8.菊とギロチン
9.モリのいる場所
10.四月の永い夢
■選評
海外映画祭狙いで賞を取ったり、国内映画賞でもてはやされたりしている作品には、もとより興味もない。そんなものより、現政権下で滅茶苦茶になってしまった日本社会の現実を見つめた作品が大切だ。春本雄二郎という新人の清新な志を断然支持したい。そしてニッポン国に挑む原一男健在がうれしい。ここに並べた作品なら、韓国映画にもひけは取らないのだが、これら以外があまりにも情けない有様で…。
中村勝則(映画ライター)
■個人賞
主演女優賞:倖田李梨(スモーキング・エイリアンズ)
主演男優賞:井浦新(止められるか、俺たちを)
監督賞:城定秀夫(恋の豚)
新人監督賞:上田慎一郎(カメラを止めるな!)
■ベストテン
1.恋の豚
2.犬猿
3.スモーキング・エイリアンズ
4.つないだ手をはなして
5.アブノーマルファミリー 新妻なぶり
6.カメラを止めるな!
7.若おかみは小学生!
8.素敵なダイナマイトスキャンダル
9.止められるか、俺たちを
10.私の奴隷になりなさい第2章 ご主人様と呼ばせてください
■選評
例年日プロ大賞で選出するベストテンは、私にとって裏ベストテンでもある。よって本来の個人ベストテンとは異なるところもあるが、基本良かったというより拡がってほしい作品(または監督・俳優)を中心に選んでいるつもりだ。それでもソフト氾濫の今となっては、悔しくも見逃してしまう作品が毎年増えつつあるのも事実。これは決して私に限ったことではなく、選者の多くがその悩みを抱えているとも思われる。そんな中で日プロ大賞はこれからどうするべきなのか、本格的に問われているような気がしてならない…。
長野辰次(フリーライター)
■個人賞
主演女優賞:内田慈(ピンカートンに会いにいく)
主演男優賞:安藤政信(スティルライフオブメモリーズ)
監督賞:吉田恵輔(愛しのアイリーン)
新人監督賞:野尻克己(鈴木家の嘘)
■ベストテン
1.止められるか、俺たちを
2.恋の豚
3.友罪
4.ガチ星
5.愛しのアイリーン
6.聖なるもの
7.ミスミソウ
8.素敵なダイナマイトスキャンダル
9.ごっこ
10.飢えたライオン
■選評
「万引き家族」「カメラを止めるな!」の大ヒットに沸いた日本映画界ですが、他にも見逃せない力作がそろった平成最後の年でした。白石和彌監督の「止められるか、俺たちを」にはインディーズ魂が溢れ、若松プロの怪人たちに扮したキャスト全員に賞を贈りたいと思うほどです。吉田恵輔監督の「愛しのアイリーン」はコミック原作ですが、今村昌平監督の「にっぽん昆虫記」「楢山節考」を思い出させる土着感が素晴らしい作品でした。
樋口尚文(映画評論家・映画監督)
■個人賞
主演女優賞:趣里(生きてるだけで、愛。)
主演男優賞:生津徹(心魔師)
監督賞:関根光才(生きてるだけで、愛。)
新人監督賞:斎藤工(blank13)
■ベストテン
1.生きてるだけで、愛。
2.ゾンからのメッセージ
3.霊的ボリシェヴィキ
4.星くず兄弟の新たな伝説
5.オー・ルーシー!
6.サニー/32
7.blank13
8.心魔師
9.ピンカートンに会いにいく
10.西北西
藤永一彦(ギンレイホール)
■個人賞
主演女優賞:石橋静河(きみの鳥はうたえる)
主演男優賞:東出昌大(寝ても覚めても)
監督賞:城定秀夫(新宿パンチ)
新人監督賞:山中瑶子(あみこ)
■ベストテン
1.寝ても覚めても
2.きみの鳥はうたえる
3.泳ぎすぎた夜
4.ケイタネバーダイ
5.あみこ
6.新宿パンチ
7.ハード・コア
8.ギャングース
9.ちはやふる -結び-
10.リズと青い鳥
■選評
80本程の見た映画から選びました。どの映画も面白く、順位などつけられませんが、「きみの鳥」で石橋静河さんのファンになりました。東出さんはもともと気になっていた方、よかったです。城定監督の映画はピンクが多く、見ていないものも多いのですが、どれも面白く、優しさが伝わってきます。今年は授賞式が行われないとのこと、残念です。来年ぜひ。
堀口慎(日本映画製作者連盟)
■個人賞
主演女優賞:韓英恵(霊的ボリシェヴィキ)
主演男優賞:大杉漣(教誨師)
監督賞:濱口竜介(寝ても覚めても)
新人監督賞:関根光才(生きてるだけで、愛。)
■ベストテン
1.寝ても覚めても
2.素敵なダイナマイトスキャンダル
3.止められるか、俺たちを
4.きみの鳥はうたえる
5.リバーズ・エッジ
6.泣き虫しょったんの奇跡
7.パンク侍、斬られて候
8.生きてるだけで、愛。
9.響 -HIBIKI-
10.わたしたちの家
■選評
「体操しようよ」が次点。例年通り、キネマ旬報ベストテンに入選した作品は極力外し、「寝ても覚めても」「きみの鳥はうたえる」の2作のみとした。主演女優賞は門脇麦、趣里なども候補と考えた。新人監督賞の候補は高水準であり、清原惟、野尻克己、山中瑶子、中江和仁、二ノ宮隆太郎など多士済々であった。
松崎まこと(映画活動家/放送作家)
■個人賞
主演女優賞:小松未来(真っ赤な星)
主演男優賞:二ノ宮隆太郎(枝葉のこと)
監督賞:吉田恵輔(愛しのアイリーン)
新人監督賞:中川駿(カランコエの花)
■ベストテン
1.愛しのアイリーン
2.TANIZAKI TRIBUTE 神と人との間
3.カメラを止めるな!
4.不能犯
5.モリのいる場所
6.止められるか、俺たちを
7.教誨師
8.カランコエの花
9.真っ赤な星
10.赤色彗星倶楽部
■選評
「犬猿」「愛しのアイリーン」を放った吉田恵輔監督の充実ぶりが素晴らしかったが、日本映画界全般を見ると、「カメラを止めるな!」に象徴される1年だった。それは、“インディーズ映画”に携わる者に“希望”を与えると同時に、もはや「自助」と「運」しかないのかと、“絶望”をももたらした。ある意味今の日本社会を象徴している出来事でもあるが、そこに突破口が見出せるのなら、我々も、それを推していくしかないのである!
森直人(映画評論家)
■個人賞
主演女優賞:趣里(生きてるだけで、愛。)
主演男優賞:大杉漣(教誨師)
監督賞:冨永昌敬(素敵なダイナマイトスキャンダル)
新人監督賞:大野大輔(ウルフなシッシー)
■ベストテン
1.教誨師
2.素敵なダイナマイトスキャンダル
3.斬、
4.きみの鳥はうたえる
5.愛しのアイリーン
6.ウルフなシッシー
7.飢えたライオン
8.生きてるだけで、愛。
9.志乃ちゃんは自分の名前が言えない
10.リバーズ・エッジ
■選評
選考の対象外となる先行の受賞作品&受賞者はもちろん、全体の評価状況をザッと見回して、もうちょっと支持を集めてもいいのではないか、と率直に思った作品を優先して並べました。本年度で最も惜しく感じていたのは、主演女優賞を安藤サクラに阻まれる形になった趣里。彼女に投票できることが、今回いちばん嬉しいかもしれないです。